理系大学院生の生活とは?【健康、お金、恋愛、就活…】

「理系大学院生の生活ってどんなの?
大学院に進んだら大変なのかな?
忙しくて体を壊したり、お金がかかったりしないの?」

そんな疑問に答えます。

✔︎目次

理系大学院生の生活
・生活スケジュール
・お金のあれこれ(入学金や授業料、バイトなど)
・恋愛はできるの?
・就活はどうだった?

僕は昨年まで、京都大学の大学院で「物性物理学」分野の研究をしていました。期間で言えば2年間です。
大学の友達で理系の人は、ほとんどが院に行きました。お互いの研究室の様子を話して情報を交換するなんてことは、飲み会の席でよくやりましたね。
そんな僕が、「理系大学院生のリアル」を解説します!

理系大学院生の生活

生活スケジュール


「忙しいのか、忙しくないのか?」

というところが気になるかもしれませんので、先に結論をいいます。

人によります!笑

一括りに「理系大学院生」といっても、その生活スケジュールは人によって全然違うんです。

✔︎研究生活の例

例えば僕の場合、実験がある日は10時間以上研究室にいたり、泊まり込みで装置を動かしたりしてました。でも実験がない日は昼まで寝てからゆっくり研究室に行っても許されていましたね。忙しい期間とそうでない期間の差が激しい感じでしたが、まあ全体の印象としては暇な時の方が多かったです。笑

一方、友達のJ君なんかは、毎日朝9時から夜9時くらいまで、週6で研究室に滞在していたそうです。ほとんど毎日実験する日々だったとか。僕よりもはるかに忙しそうでした。

どうしてこんなに差が出るのかというと、要因は「研究ジャンル」、「先生の考え方」、「進路」の3つだと思います。

✔︎研究ジャンル

研究ジャンルによって忙しさが決まることがあります。

例えば前述したJくんの場合、「有機化学」というジャンルの研究をしていました。「研究」と聞いて抱く一般的なイメージの、「フラスコで薬品を混ぜて…」っていう感じの研究をしていたみたいです。

「有機化学は忙しい」というのは、理系大学院生の間では共通認識になっています。実験のサイクルが早いからですね。

一方僕の場合は、NMR装置(医療MRIと同じようなやつです)というものを使って、「物質から出てくる電気信号を受信することで性質を調べる」、というのをやっていました。
その電気信号を数千回とか1万回とか、たくさん受信してデータを集める必要があるんですね。だから1回1回の実験は長期間(1ヶ月とか)になるんですけど、大掛かりな分あんまり気軽にできないから普段は暇、みたいな感じでした。

こういう忙しさの違いは、研究ジャンルとか実験手法によるものですよね。将来大学院に進むことを考えている人で忙しい研究室に行きたくない場合、研究ジャンルからリサーチした方が良いということになります。

✔︎先生の考え方

一般的な研究室には「ボス」である教授や准教授が1人いて、その下に准教授や助教、ポスドク(研究員)、大学院生(博士課程)、大学院生(修士課程)、学部4年生という種類の人間が在籍しています。

研究室内のルールなどは全部、この「ボス」が決めます。権限はすべてボスに集中しています。

「え?」っと思ったかもしれませんね。
実は、研究室は悪い言い方をすると「ボスの独裁政治」みたいな感じなんです。

とはいっても別に法律に反したことを強要されるとか、そういうことではないので安心してください。笑

ボスが「朝9時に全員集まって朝礼しよう」とか、「10時から16時は全員いるようにしよう(コアタイムと言います)」といったルールを設けている研究室も多いです。そういうルールがあると、拘束時間が発生するわけなので、忙しさには影響してきますよね。

ちなみに僕の研究室は少人数だったこともあって、そういうルールはなかったです。好き勝手やってました。笑

✔︎進路

理系大学院生の場合、一般的に進路とは「就職するか、研究者を目指すか」の二択になります。

前者の場合、研究も大事ですが就職活動も大事だということになります。研究にばかりのめり込んでいても良くないので、研究活動をセーブすることもあり得ます。

しかし後者の場合、とことん研究にのめり込んで成果を出す必要があります。

将来的に研究者を目指すなら、学会発表や論文執筆はもちろん、研究分野の勉強、語学の勉強などやることがグッと増えます。先生や周囲が力を入れて育てようとしてくれたりもします。そのため自然と忙しくなるわけです。

自分の選ぶ進路によって忙しさは変わってきますね。

というわけで同じ「理系大学院生」でも、その生活スケジュールや忙しさは人によって全然違うんだということを理解していただけたかなと思います。

お金のあれこれ(入学金や授業料、バイトなど)

✔︎入学金と授業料

入学金や授業料は、学部と同じ感覚で大丈夫です。
学校によって、また国公立か私立かでもかなり違うようですので、気になる方は大学のホームページをチェックしてください。
ちなみに京大の場合は、入学金が28.2000円、授業料が半期で267900円です。

✔︎バイト

バイトは不可能ではないかもしれませんが、あまりしている人は聞きません。
その代わり、「ティーチングアシスタント」として、学部生の実験や授業をサポートする仕事をすることができます。大学の研究科に雇われる形ですね。

研究室にもよるんですが、それで数万円の収入が見込めます。

それでも生活費などが足りなくなって大変な人は、貸与型の奨学金に申し込むという手を使うことが多いです。

実際僕も大学院生時代は奨学金を借りていました。年間で約100万円という額です。そのおかげで研究に集中できたので、感謝しています。

恋愛はできるの?

恋愛についてはさらっといきます笑

結論から言うと、まあできます。

生活スケジュールのところでも少し触れましたが、研究室といってもそこまで忙しくなかったりするので、不可能ではないかと。

ただまあ、理系大学院生の男女比にはかなり偏りがあります。特に僕のような物理系にはなぜか女性が少なかったですね。正確な数は分かりませんが、男女比は体感で9:1くらいかと思います。

生物などはもう少し多いみたいですけどね。研究室で出会いがあって恋愛に発展…みたいな甘い話は残念ながら聞いたことがないです(^^;;

就活はどうだった?

就活については、大学院にいくとぶっちゃけ得だと感じました。

✔︎専門性が活かせる

大学院で研究していると、専門的な知識が身につきます。そのため、普通の学部生ではなかなか内定がもらえないような、企業の研究職なんかに就きやすくなるでしょう。

実際僕も物理学の知識が買われて半導体メーカーに就職することができました。職種は開発職で、今も毎日のように仕事で実験をする日々です。

同期の開発職には学部卒の人もいますが、かなり少数です。

やはり専門性が身につくと言う意味では、大学院にいくと就職にも強くなると思います。

✔︎まとめ

理系大学院生の生活
・生活スケジュール
・お金のあれこれ(入学金や授業料、バイトなど)
・恋愛はできるの?
・就活はどうだった?

以上、「理系大学院生の生活」でした!