「高校生になったけど、物理がわからない…
どうやって勉強したらいいの?」
そんな疑問にお答えします!
✔︎本記事の内容
- 高校物理の勉強法
- 物理は点数を稼ぎやすい!?
- まとめ
✔︎記事の信頼性
僕は大学・大学院で物理学の研究をしていました。今はその延長線上で、半導体を作っています。
高校受験の際は物理が得点源でした。しかし最初からものすごく得意だったわけではありません。勉強しているうちになんとかコツみたいなものを掴んできました。そのおかげで物理の研究をするまでになったのです。
こんな経験を持つ僕がお答えします。
高校物理の勉強法
結論は、「正しく図を描くこと」です!
順を追って説明していきます。
ポイントは以下の3つです。
- ニガテの原因は公式にある
- イメージが最も重要
- 物理の問題はパズルです
ニガテの原因は公式にある
物理は公式がたくさん出てきますが、それこそがニガテの原因となっているかと思います。
いきなり「ma=F」とか言われても、「は?」って感じですよね(笑)
みなさんが公式を見てアレルギーを起こすのも当然なんです。だって、序盤で習う公式であっても、数学的には微分・積分の概念を知らないと本当は理解できないものだからなんです。
✔︎まだ理解できないものを教えている
「ma=F」「v=at+v1」といった運動に関する式は、わりと序盤で出てきます。
しかしその理解に必要な微分・積分を数学で習うのは、もっと後のことになります。
理解できない式をいきなり提示されるので、「何これ?意味わかんない、怖い!」ってなっちゃうわけですよね。かつての僕や、多くの同級生も同じように困惑していた覚えがあります。当然ですよね。だってまだ知らない概念を含んだことを習っているのだから。
✔︎公式に翻弄されないために
ではどうするかという話ですが、答えはイメージにあります。
まずはイメージを頭の中でしっかりと掴む。公式を理解したり覚えたりするのは、必ずその後にやりましょう。順番が大事です。
その辺りを次に詳しく話していきます。
イメージが最も重要
物理の問題を解けるかどうかは、ほとんどが「問題の状況をイメージできているか」にかかっています。
なぜなら、「物理の問題を解く」という行為は、「問題の状況に合わせてどの公式を使うかを選ぶ」ことに等しいからです。状況を正確に掴むことができれば、適した公式を選ぶことができるわけです。
✔︎問題文の状況をイメージする
例えば以下のような問題があったとしましょう。
平面上で球Aが静止している。この球を指で弾いて初速度2(mm/秒)を与える。5秒後、球Aは最初の地点から何mm離れた地点に移動するか?
こうやって文章で長々と言われても、「なんのこっちゃ?」ってなりません?
しかもここに「平面の動摩擦係数はuとする」なんて条件まで加わるともうキツいですよね。この頭の中がカオスな状態で、「使えそうな公式はこれかな?あれかな?」と考えていても、絶対に問題は解けません。
ここで大事なのが、一つ一つ冷静にイメージする、つまり図を書くことなんです。
✔︎図を描きましょう
一文ずついきましょう。まず、「平面上で球Aが静止している」という状況。
これは図を描くとこんな感じです。
まだシンプルですよね。さて次の「指で弾いて初速度2(mm/秒)を与える」という文の状況を付け加えましょう。
ポイントは、「指で弾いて」とか「与える」といった日本語に惑わされないことです。大事なのは「球Aが初速度2(mm/秒)で動き出した」ということだけ。指で弾くのも風で動くのも同じです。「速度を与える」というのも普段しない言葉遣いなので紛らわしいですよね。気にせずわかりやすい日本語に変えて理解しましょう。
さて、最後は「5秒後、球Aは最初の地点から何mm離れた地点に移動するか?」という文章です。これは図に追加するとこんな感じ。
問題の答えが図によって理解されました。両矢印の部分を答えれば良いわけですね!
ここでは平面と球Aの間に摩擦がなく、空気の抵抗もないことにしましょう。
先に言ってしまうと、答えは「10mm」です。
物体の速度が変わるのは、物体に力がかかった時だけです(大事なので覚えておきましょう)。今回は球Aが動き出してから何も力が加えられていないので、速度は最初の2(mm/秒)のままです。
速度2(mm/秒)のものが5秒間動きました。つまり、移動した距離は「速度x時間」なので「2×5=10(mm)」となるわけです。
図を描くとすごく簡単に感じませんか?
また、ここに「球Aの重さをm(kg)、球Aが平面からうける擦係力はF(N)とする」なんて条件がつくと、図はこんな感じになります。
図に条件がプラスされましたね。この場合はさっきと違って、物体の速度が変わることになります。こういう状況では、「ma=F」という公式を使わなければいけないことになります。「a」は「加速度」のことで、「速度がどのくらい変わるか」を表しているわけですね。力Fがかかったときの文体の速度がどれだけ変わるかが、この公式から導き出されます。
この辺りを深く説明しだすと長くなってしまうので、教科書などに譲ることにしましょう。
ちなみに今回の問題は、「ma=F」と加速度が加わったときの物体の移動距離の式「x=vt+1/2at²」の公式を使うことで解けます。
ちょっと難しいですかね?ただ、状況が図でわかって初めてどの公式を使うのか考えられるようになるということを、ここでは言いたかったのです。公式をこねくり回すのではなくて、図を描くことから初めてみてください。
物理の問題はパズルです
問題の解き方の流れを説明しました。こんなふうに問題を解く過程は、限りなく「パズル遊び」に近いかなと思います。
パズルのピースの形を見極めて合うピースを探すように、問題の状況に合った公式を見極めるわける感じ。
✔︎以上を踏まえた上での勉強法
勉強法は、とにかく問題演習で「図を描く→合う公式を探す」をひたすら繰り返すということになります。教科書を読んで公式をあまり理解できなくても、いきなり問題演習をしてしまって大丈夫です。問題を解いて答えを見ることで、だんだんと理解が深まっていくでしょう。あまり悩まずにすぐ答えを見るのがコツですよ。(その点はにも書いていますのでご参考までに)
ちなみに、今回は「力学」と呼ばれるジャンルの初歩で考えましたが、高校物理はどれだけ難しくなっても上記の考え方で大丈夫です。「電磁気学」も「熱力学」も、似たような「パズル」的な解き方で解けます。
物理は点数を稼ぎやすい!?
物理は脱落する人が多い反面、できるようになると点数がとりやすく、得点源になります。
その理由は2つあります。
- 答えがパズル的にきっちり決まる上に、数学のような複雑な証明が必要ない
- 暗記しなければいけない事柄が比較的少ない
物理は受験生の味方
記述式の問題というのがほとんどなく、ちょっとした文章表現の間違いで失点…なんてことがないです。国語や数学の証明、生物の入試問題なんかはそれがありますからね。さらに数学ほど複雑な思考が必要なく、問題がワンパターンです。生物や化学のように膨大な固有名詞を覚える必要もないので、暗記が苦手でも点数がとりやすいのです。わけのわからない公式さえ図を描くことでクリアできれば、覚えることが少ないので非常に楽な教科だと感じられるはずです。
受験ではあらゆる教科のあらゆる固有名詞を暗記しなければなりません。物理のように暗記が少ない科目は、受験生にとって大きな味方になるでしょう。
✔︎まとめ
✔︎高校物理の勉強法
- 「正しく図を描く→公式を理解」を繰り返す
✔︎物理は点数を稼ぎやすい!?
- 物理はちょっとした失点がない
- 暗記が少ない
ニガテな人が大多数な物理ですが、だからこそ得点源にしてしまって味方にしましょう!
応援してます!